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かた雪かんこ しみ雪しんこ

朝起きたら、少し雪が積もっていて
予報通りじゃん とか思いながら

すてぃっちには
いつもよりも早めに支度をさせて
ゆっくり気をつけて歩くように注意し
玄関の外まで送り出したのだけど

うちから学校までは丘を越えて行くような感じなので
坂道が滑ったりしないかと
心配になって

そのままくっついて学校近くの坂を下るところまで一緒に歩きました。

まだ誰も歩いていない駐車場に積もった真っ白な雪を踏みしめながら
すてぃっちは

「『かた雪かんこ しみ雪しんこ』だね♪」

と言いました。

それは宮澤賢治の「雪わたり」。

5年生の時の教科書に出ていて
当時まだ先生一年目で
担任だったフレッシュ先生が

「宮澤賢治は抽象的な文章で難しいですよね。
 でも、すてぃっちさんだったら頑張れると思うんです。
 そのかわり、これに取り組んだら他の単元には進めないかもしれません。
 お母さん、それでもいいですか?
 今、すてぃっちさんには
 あれもこれも と進度を進めるよりも
 ひとつのことにじっくり取り組んで
 自信を深めることも大事だと思うんです。
 時間をかけてすてぃっちさんに理解できるように私も頑張ります。
 進めながら読解を深めていきましょう!」

と、本当に一生懸命、半年くらいかけて
この一つの作品に出来る限りの準備と工夫をして
国語の授業をしてくれていました。
(今思っても、本当に一年目からよくできる先生だった^^)

すてぃっちには
教科書の小さな挿絵だけでは
賢治の世界をイメージするのは難しいだろうからと

「図書室でいい絵本があったんですよ~♪」

と、雪わたりの絵本を使ってくれたりしたのも
その工夫の一つでした。

当時、初任指導をしていた元こじかの担任の教務主任も
すてぃっちの頑張りと、フレッシュ先生の指導を褒めてくれていました。

そんな思い出の「雪わたり」。

真っ白になった風景を見て
それと
雪を踏みしめた感触から

あの2年前にフレッシュ先生と二人三脚で頑張った「雪わたり」の一節を思い出し

リズミカルにつぶやいたすてぃっちが

本当に愛おしかった。

もし例えば「雪わたり」の試験をします・・って言ったら
正解を書くことは難しいかもしれないけれど

こうして すてぃっちの心に残っていて
その引き出しを開けることができるというのは
試験で高得点を取ることよりも
ず~っと情緒的で素晴らしい。

フレッシュ先生とのめぐり合わせにも
今再びありがたさを感じちゃったりして

最近涙もろい私は洪水状態であります。

フレッシュ先生にもこの事や
私のうれしかった気持ち、報告しなくちゃな~。

by tiisai-ningyo | 2012-02-29 10:21 | すてぃっちのつぶやき